その後、内田は俺と先生が素直になったらいいんだよって言って、公園を去って行った。俺は、まだ状況がつかめなくて先生の方を見つめた。
「あの…遠山君、お話いいかな?」
「はい」
俺は怒られるのかと覚悟を決めた。
ずっと嘘をついていたんだ俺。
「ごめんね、俺、遠山君にずっと嘘をついていたんだ」
「え?」
先生が俺に嘘をついていた?
いつ、何処で?
「本当は…電話、わかっていたの」
「そ、それを言うなら俺だって」
ずっと嘘をついていた。なのに、
「ううん。俺は気にしていない。というか、俺が、どうにか電話友達でいたかったから、わかっているのに、わからないふりをしたんだ」
と、切ない声で先生は、ことの成行きを話してくれた。

内田から、俺が最近多くの人を相手に、電話相談をしているからって、電話番号の書かれた紙を渡されたそうだ。俺が一年の時。
俺と同じ…パターンだが、俺は電話相談なんてしていない。
でもその話を先生にしたら、先生もそんな覚えはないと言った。
ただ、しつこく内田が携帯の番号聞いて来たくらいしか記憶にないと。
そういえば、俺がアイツとはじめて話した日すぐに携帯番号を聞かれたような。
「だから、俺は遠山の番号ずっと知っていたし、アドレスにも勝手に登録してたんだ。先生と生徒だし、気楽に電話したらいけないかなって思って」
「登録っていつしました?」
「…内田くんに、遠山君の電話番号おしえてもらってから…」
と、いうことは、三年になって俺が先生の電話したあの日、先生の携帯のディスプレイには俺の名前が出ていたのか…恥ずかしい…話だ。
「じゃあ、はじめから知っていたんですね?」
「うんはじめから、一番初めに電話が来たときから…」




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