一日、罪悪感ばかりで過ごした。
今日の朝はせっかく先生が俺のペンをわざわざ返しに来てくれたのに…俺はそれを冷たく扱った。
どうしてもう少し理性的な恋ができないんだろうか。
前はこんなんじゃなかったはずだ。

「!」

携帯の着信音が俺の部屋で流れている。
俺は、しばらく無視をした。
本当は先生の声聞きたいよ…でも今出たら、俺は何を言うかわからない。
それが怖い。でも、再びなった着信音に俺は無視できなかった。

先生は基本的に、一回鳴らして出なかったらメールを送る傾向があるのに、今日は二回も続けて鳴らすから…

「……はい」
「あ、もしもし、元気ないな」
……先生じゃない。
でも俺の携帯のディスプレイには「近藤さん」って文字が出ている。
「あらら、黙り込むのか、遠山」
「内田!」
「やっとわかってくれたか、よかった。気付かれなかったらどうしようかと思った。それよりさ、今から、近くの公園に来いよ」
「……なんでだ」
「さぁ、なんでやろうな。な、チハルちゃん」
「チハルって近藤先生そこにいるのか?」
「いるよ、かわろうか?」
「ああ…」
いつもふざけたことばかり言っている、俺に先生の携帯番号を教えたあの友人、内田はなんともないかのようにのどで笑った。




- 23 -


[*前] | [次#]
目次に戻る→



以下はナノ様の広告になります。
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -