兄さんは話してくれた。
ゆったりとゆったりと今日の日までにあったこと。
俺はただ聞いていた。
少しでも兄さんのためになれたらいいなって。

でもさ、不謹慎だけどさ、

「そんなにいろいろあったのに、俺のこと好きでいてくれたんだ」

「だって…」

忘れようとしたんだけど無理だったんだよ。
兄さんはそう言って居心地が悪そうに笑った。


「それでも俺に恋をしてくれてありがとう」
「でも、そのっ」
「終わったことはいいよ?」
「いや…けど、やっぱり」
「俺は今こうして、手を繋げるのが幸せ」
「メグミ…」

「俺は約束できるよ、大丈夫」
「……僕だって、ずっと好きでいられる自信あるもん」
「俺のこと考えて身を引こうとしたのに大好きで、こうして俺に抱きついてくれるんだもんね?」
「な、そんな、意地悪な言い方しなくても…」
「嫌いになる?」
「なるわけないよ、なれない…っ」








それでも兄は恋をする。 完結



次のページはあとがきです。




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