しばらく玄関で抱きあっていた俺たちは、おなかがすいたから、ご飯を食べることにした。
二人っきりの食卓がすごく幸せで落ち着かなかった。

いつもは向き合って食べているんだけど、俺はわざと兄さんの横に座った。
兄さんはいつもパーカーのフードを頭に覆っているけど、今日は下ろしたままだ。

そんなことが嬉しい。

「ね、メグミは、後悔しないかな…」
兄さんは箸をとめると俺を見つめた。
後悔って何のことだろう。
「僕たち兄弟だから…その…ほら、ね」
僕はメグミとなら平気だけど、メグミは辛いことになるかもしれないよ、なんて兄さんは言った。
それこそ、こっちのセリフだ。
「俺は平気。兄さんのこと大好きだから…」
「そんなの、僕だって…あ、いや…」
「僕だって何?」
「……ずっと好きだったし今さら…そのね」
もじもじと兄さんは言った。

ずっと好きだったっていつから?
俺はふと疑問に思ってい聞いたら、
覚えていないくらい昔だとか言われた。
それってひょっとしなくても俺が兄さんを好きになる前からじゃ…

「え、でも彼女さん、たくさんいたじゃんか」
「…兄弟だから、こんな感情持ったらメグミに迷惑するって思ってたんだ…。だから、その僕、最低だった…」




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