「違うよ、俺は、兄さんをお嫁さんにもらいたいんだ!」
「……っ」
「そんな顔するほど嫌だった…?」
別に兄さんと思いが一緒なら、俺は、まぁ、受け入れる方でもいいけども…
どっちかというと突っ込むほうがいい。
今だって気持ちはそこにばかりいっている。
などと、純粋でロマンチストな兄さんに言ったら、嫌がられるかもしれないけども。
「ちがっ…僕は、メグミならどっちでも…」
「兄さんっ」
「メグミ」
「キスしてもいいかな?」
「…いいよ?」
「キスしたら、次から、恋人な?」
「……うん」

嬉しそうに瞳を細めた兄さんに俺はキスをしようとした。
したら、我が家の元気娘が帰ってきた。

「っただ、いまって、…交尾するとこだった?」
姉さんは玄関の扉を開けて俺たちを見下ろす。
兄さんも俺も必死になって離れると姉さんの顔色をうかがった。
「何よ、私もそんなに心がちっさい人間に見えるわけ。大丈夫よ。ヤりたいならヤりなよ。その代わりここで見学しているわ」
にこにこと姉さんは俺の頭をわしづかみにした。どうやら、俺が一方的に襲っていたように見えたようだ。
「あんたが、まなかラブだったのは知っていたけど、無理やりするのはやっぱりよくないわよ!」
近所に聞こえそうな声で言われて俺はビビった。
でも、別に、俺は兄さんが好きなこと、誰になんと言われても曲げる気はないからいいか。




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