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「…僕、メグミが好きだよ…メグミならいいよ…っ」
「兄さん…」
「ごめん、僕こそっごめんなさい」
ぐちゃぐちゃになるくらい泣いている兄さん…
もしかしてそんなにも俺のこと思ってくれているの?
「大丈夫だよ、俺は怒ってないから」
そっと手を引っ張って身体を起こすと俺は出来る限り優しく兄さんを抱きしめた。
「怖がらせてごめんね…」
ぽんぽんと兄さんの背中をなでる。
『俺、大きくなったら兄さんのお嫁さんになる!』
だから淋しくないよって、まだまだ幼い俺は兄さんの手を握って………
……え、今のって?
俺はハッとなって兄さんの顔を見つめる。
すると兄さんが不安そうに俺を見上げて、俺にキスをした。
「え…」
触れるだけの欲のないキスだった。
でも、俺は、どうしていいかわからなくなるくらい、それが嬉しくてしかたなかった。
でも…俺は兄さんに謝らないといけないことがある。
「兄さん、俺、昔、兄さんのお嫁さんになるって言ったよね?」
「え、うん…」
「悪いけど、ごめん、約束やぶるよ…」
「いい、よ…心変わりなんて簡単にしちゃうものだし…きっと」
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