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兄さんに彼女が出来た。
これで何人目になるのだろうか。
姉さん曰く「私が知っているのは、今は4人同時ってことかな? それがどうかしたの?」とのこと。
そ、決して彼女が通算で四人になったということではなく、つまり、今、俺の兄さんは四股していることだ。あ、姉さんが知っている範囲の話になるから、実際はもっといるかもしれない。
それがとても不愉快だ。
「兄さん、彼女ってそんなにもいるの?」
めずらしく休日家にいる兄さんに俺は問いかけた。
「うー、いるかって言われたら、どうなのかな…」
けだるげに首を傾げて、兄さんは携帯を見つめている。
「僕には難しいな、その質問」
「何処が難しいって言うんだ。兄さんはそれでいいの?」
「何が?」
「何人も彼女作っていること、についてだよ」
「あーそれなら簡単だ。俺、寂しいんだ」
「……」
「そういうことだから、メグミ。大目に見てよ?」
やっと。俺の方を見てくれたかと思うと兄さんはそんなことを平然と言った。
寂しいからって、なんてひどい理由。
兄さんの傍には俺がいるのに、それじゃ意味がないの?
「あ、今から、すぐに行くよ?」
突然かかってきた電話に出ると兄さんはそう言って、家を出ていってしまった。
きっと兄さんは寂しいと死んじゃうんだ。
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