「疲れないの?」

先輩は急に真面目な顔をして聞く。俺は突然の問いかけにポカンとなる。

「はい?」

「だから、そういうのって疲れない?」

「えと…」

疲れないかと言われたら、疲れると答えてしまいそうになる。
でも、疲れるだなんて認めたくないし、俺は、ミハルのこと好きだから……

「まぁ、ナツが決めた人なら、それでもいいんじゃないの?」

考え過ぎるなよって先輩は苦笑いをしながら、俺の頭を叩いた。
すると俺はずっと堪えていた涙が流れ始めてしまう。

「す、すみません」

俺は謝って、顔を隠そうとする。
なのに、先輩はそれを阻止して、俺の顔をじっと見つめてくる。
どうしたらいいのか、わからなくて。
でも、涙は止まらなくて、俺はそのまま泣き続けた。

その日、先輩はずっと俺と一緒にいてくれた。

先輩がミハルだったらよかったのに、と考えた俺は、また自分が嫌いになる。
先輩に失礼じゃないか。
俺のことを心配して付き添ってくれていたというのに。

「今日はありがとうございました」




- 6 -


[*前] | [次#]
目次に戻る→


以下はナノ様の広告になります。
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -