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ミハルは真剣な声で言う。

「俺はナツが好きなんだ。どうして、好きなのかはわからない。でも、好きになったことを後悔したことなんてないし、好きになったのが、ナツでよかったって、いつも思っている」

「私の方がミハルのこと、好きだよ…」

「杏梨、違うんだ。どっちがどうとかじゃなくて、俺は、ナツが好きで。きっとそれは、誰がどう思おうと変わらないと思う。ナツに嫌われても、俺はナツのこと好きで有り続けると思う」

「…………そんなのって、ないよ」

「だから、杏梨、さようなら、しよう」

「え?」

俺も杏梨ちゃんもミハルの言葉に驚きが隠せなかった。
でも、ミハルはそんな俺たちのことはお構いなしに、続ける。

「杏梨が、ナツに、意地悪言ったんだよね?」

「……ミハル?」

俺は更に驚く。ミハルどうして知っているんだろう。
俺、一言も言っていないのに。

「体調が悪いって言うのも、嘘だったんだろう。杏梨の親に、今日、本当のこと聞いたよ」

ふざけるなよ、とミハルは叫んだ。こんなミハルの声を俺は知らない。




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