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「そっか、よかった」
死ななくて良かった。杏梨ちゃんが死んだら、ミハルが悲しむし。
「…て、あまりいい話じゃないんだけど、無事でよかったなって思って」
「ナツ、ありがとう。杏梨のこと心配してくれて」
「いやいや」
俺が心配だったのはミハルだ。
ミハルのことだけだ。
「俺、夢中で走ってきただけで、お礼を言われるようなこと考えていない」
「じゃあ、俺の傍に来てくれてありがとう。すごく心細かった」
「俺なんかでよかったら、何時でもミハルのもとに駆け付けるぞ」
「本当に? だったら、ずっとそばに居て欲しい」
ああ、そんなの頼まれなくったって、俺もずっとミハルの傍に居たい。
『結婚できないのよ』
「あ……」
不意に杏梨ちゃんの言葉を思い出した。途端、俺は……
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