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「だいたいさ、男同士って何よ。ミハルの将来どうしてくれるわけ?」

「え?」

「え? じゃないわよ。本当に好きだったら、考えてよ。ミハル、一生結婚できないのよ。子どももあんたじゃ産めないのよ!」

「……あ」

「でも、私なら、できる。結婚も、出産も。世間体だって守れる。でも、ナツには出来ない。そんなこともわからないの?」

そんなことまで考えていなかった。俺、今が精一杯で、今をミハルといられることが幸せで、そんな先のことまで考えていなかった。

「それに、ミハルは私に何だって話してくれるんだよ。私の方がミハルとも長く一緒にいるし」

「でもミハルは、こんな俺のことを好きだって言ってくれた」

「だから、貴方に言うの。ミハルのことを思うなら、別れて欲しいって」

「……ごめん、できない」

「なんで!?」

「俺も好きだから、ミハルのこと。だから、離れたくないんだ、お互いに」

「もういいわ!」

半泣きになって杏梨ちゃんは走り出してしまった。杏梨ちゃんの悲しそうな顔を思い出して、俺は胸がチクリと痛んだ。



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