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仲直りしたから、もう一度俺は頑張ってみようと思った。
杏梨ちゃんのこともそうだけど、コンプレックスにも負けないように。
俺が頑張れば、大好きなミハルと一緒にいられるんだ。
だったら、俺が頑張って成長して大きくなってしまえばいいだけの話だ。
「ミハル、ごめん」
俺は甘えたようにミハルに抱きついた。
何時振りだろうか。こんな恋人みたいなことするの。
「ナツ、俺、ナツのこと放したくないよ」
「うん…」
たとえ、それがただの優しさからくる言葉でも俺は嬉しくてしかたなくて、ぎゅっとミハルに抱きつく。
俺だって、ミハルのこと放したくないよ。誰にも渡したくない。誰にも触らせたくないよ。杏梨ちゃんにだって、仲良くさせたくない。
でも、そんなの俺のエゴで我儘だから……
「ナツ、キスしてもいい?」
「う、うん」
俺はミハルの服を引っ張る。ミハルは優しく、俺の唇に自分の唇を重ねる。
ああ、俺、幸せで泣いてしまう。
やっぱりミハルのことが好きなんだと改めて身に感じた。
「ミハル、別れたいだなんて言ってごめん」
「もう、いいよ、ナツ」
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