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「ナツ……」
「謝罪なんて、聞きたくないよ」
「俺のこと、嫌いになった?」
落ち込んだ顔をしてミハルは俺を見つめる。
そんなことはない。でも、でも、俺は……
「……別れたい」
きっとこのまま付き合っていても俺は辛いだけだし、ミハルにだって冷たく当たってしまったりするだけだと思う。なら、いっそ、この関係はやめた方がいい。
「俺、疲れてしまった。ミハルと一緒にいるの」
「ナツ」
「ごめんね…」
もう、何も話すことはないと、俺はミハルを家から追い出した。
これでよかったんだと思う。
これで。
だってもともと俺なんかがミハルと付き合うこと自体が有りえなかったんだ。
そうだ、いい夢を見れたと、思えばいい。
思えば……思えるわけがない。思えないよ。
もっと一緒にいたかった。もっと笑いあっていたかった。
別れたくなかった…!
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