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「食堂、一緒に行こうって約束しただろ?」
「ごめん、俺、眠ってしまって」
「いや、それはいいんだ、それは」
「?」
顔を赤くして、もじもじとしている、ナオに俺は首を傾げた。
もしかして、俺の部屋に勝手に入ってしまったことに、罪悪感でも感じているのだろうか?
「ナオ、俺、別に怒っていないぞ」
「え?」
「俺の部屋に勝手に入ったことに、後ろめたさを感じているのかなって」
「いや、それじゃない」
「じゃあ、何?」
「ちが、食堂に行こう、タロ」
「あ、うん、行こう行こう」
お腹すいたよ、と俺は、言いながら、部屋を出ようとしたら、思いっきり、ナオに腕を掴まれた。
「タロ、やっぱりその前に、いいかな、話」
「え? いいけど?」
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