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ふざけるな、だとか、馬鹿言うな、とか、聞こえてくる。
しかし、三木くんはそれを鼻で笑う。
「ふざけていないし、大真面目。でもま、何処かに訴えたいなら、どうぞ。俺は、それなりに性格悪いから、どうやったら、その全ての派閥を黙りこませられるか知っている。そうそう、それに歯向かったら、もっと痛い目に俺があわせてあがる」
「…………」
「…………」
「以上で、全校集会を終わります。詳しいことは、また後ほど、俺が説明するので。はい、解散。人生なんてそんなものだよ、理不尽なことしたんだから、理不尽なことされても、君らは文句言えないもんな」
あー。悲しいね。
三木くんはそう言いながら、マイクを置くと、俺の方を向く。
「タロくん。どう、すっきりした?」
まるでいたずらが初めて成功した子どものように、三木くんは笑った。
俺は驚いて、返事をするのを忘れてしまった。
すると、三木くんは落ち込んだ顔をする。
「やり過ぎたか?」
「そんな、す、すっきりしたよ」
俺はお礼を言う。
三木くんは、また子どものように笑う。
叔父さんはふてくされた顔をして、俺の腕を掴む。
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