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待っているだけだった。
俺は奥歯を噛みしめると整列している生徒の間を走り、舞台に上がる。
俺は俺の意思で、全校生徒を見つめた。
ああ、やっぱり、大勢は怖い。
ここから見渡す限りの人が俺の敵の様な存在で。
でも、今、隣に居る、叔父さんや三木くんの存在が大きくて。
「よって、この学園を潰すのは俺たちの手は使いません」
三木くんは高らかに言う。
「君たちの手で、壊してもらう」
「「え?」」
俺と叔父さんは声をそろえて疑問符。
生徒達も何を言いだしたんだといわんばかりに、ざわざわしている。
そんな中で、三木くんだけが冷静に発言を続ける。
「自分でやったことの責任は自分でとってほしいんだよ、俺はさ。ガキだからって容赦しない。全ては君たちの自由だけど、ここからの何処かへ行こうとした時に、俺たち学園側は、真実の内申書を提出するよ? 意味、わかるよね?」
青ざめていく生徒達に本当に容赦なく、三木くんは告げる。
「つまりさ、今から何処かに自分の意思で転校して、一から学生やり直した方がいいよ。転校手続きは喜んでしてあげる。その時はいいように内申書作ってあげるよ。転校することがどれほど怖いか、身を持って味わって欲しいしね。あとこの学園に残ってくれてもいいよ、理不尽も学んで欲しいし、俺は」
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