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叔父さんは三日したら帰ると言ったが、結局、四日間、第二学園にいた。
その四日目に、全校生徒を集めた朝礼で、三木くんと一緒に舞台に立った。

「俺はこの学園を潰そうと考えています」

叔父さんは大一声からそんなことを言う。
俺も、他の生徒も、ポカーンとなる。
すると三木くんがうんざりした顔をして、叔父さんからマイクを奪った。
そして淡々と俺様なブラックスマイルを披露する。

「まぁ、この理事長が、ここの学園を潰すだなんていいましたが、この人もいい大人です。簡単に学園一つを潰すなんてことをしでかすことはできません。このオジサンの補佐である俺が、全力で引きとめます」

三木くんのスピーチに叔父さんは何やら猛抗議をしているように、見える。確か昨日俺の寮の部屋で二人が打ち合わせしていた内容とは違うスピーチだけど、俺はそれでいいと思う。やっぱり、潰すだなんて、あまりにもひどすぎる。

……でも、釈然としない。

いや、別に潰してほしいわけじゃないけども。
どうっていうわけじゃないけども。

だなんて……嘘、綺麗ごと。

実は期待していた。
俺を苛めた彼らに、罪を、与えてもらうのを。
俺の力じゃ何もできないくせに。
叔父さんと三木くんに責任とか全部任せて。
俺は何も悪くないと言った顔をして。
ただ、待っていた。




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