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もしもこの世に絶対があるとしたら、それは貴方が俺を思う気持ちであってほしい。たとえば、何があっても変わらずに、好きでいてくれること。
ただ、それだけを俺は望む。

椅子から立ちあげると、俺は旧校舎の教室の窓に手を触れた。
ずっと使われていなくて埃だらけ。
昔は毎日、窓ふきをされていただろう、窓なのに。
今やもう使われなくなったら、このあり様なんだ。

寂しい…。

「俺ね、不安だった。叔父さんに会うの。でもさ、会ってみて思った。会ってよかったなって。逃げてごめんね」

俺は自分勝手にぽつりぽつりと話した。

叔父さんに会ったら、甘えてしまいそうで会いたくなかったこと。
迷惑かけてしまいそうで、会いたくなかったこと。

そして何より、苛められている俺を見たら、幻滅されるんじゃないかって。不安になって、会えなかったこと。

「叔父さんからも、冷たい目で見られるようになったら、どうしようってさ、馬鹿みたいに、考えて」

窓に触れていた俺の手に叔父さんの手が重なる。
俺はその体温と優しさと心強さに、ドキドキした。

「馬鹿だな、俺が、どうやったら、タロを嫌えるんだ」

もしも方法あるとしたら、教えて欲しいと叔父さんは笑った。
俺も、そんなの知らないよ、と笑った。




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