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焦る気持ちを抑えながら、俺は仕事に取り掛かる。
本当は今すぐにでもかけつけてしまいたいのに。

やらないといけないことを、やる。

普段は5日かかるであろう仕事を、眠る間も惜しんで、2日で片付けた。
だから、俺は、3日間、時間が出来たわけだ。

「いえ、必要ないかもしれませんが、顔を普段出しておりませんし、それにいちお第二学園だとしても、俺の経営する学園に変わりないですし、そちらの方へと3日間、偵察、みたいな、感じでお邪魔させていただこうかと思っております」

お忙しいのに、お気遣いなくて大丈夫ですよ、と先方は言う。

「いえ、ちょうど3日間の余裕を作ったので、大丈夫です。行かせていただきます」

断ってきたって、俺は行くぞと伝えた。すると、第二学園の関係者は本当に嫌そうに言葉を濁した。

「………は?」

今、なんて言われたのか、俺には理解できるまでに時間がかかった。

「俺の甥っ子がいじめにあっている? 何かの間違いじゃないでしょうか?」

明るくて、お人よしで、可愛くて、何処に行ってもあいつの周りにはたくさんの人が集まっていた。タロはそんな奴だ。すぐに誰からも必要とされ、慕われ、楽しそうに笑っている。
ああ、そうだ、それに、笑っていたじゃないか、俺に電話で学園は楽しいって。
なのにどうして、どうして。どうして。嘘、嘘だろ。な…?




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