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=山田タロside=


……気まずい。
どうして約束も何もしていないのに、さも当たり前のように俺の隣に座ったんだろう、副会長。しかも、さっきからじっと俺の方を見ているし。

やめてほしい。
そうやって、俺の立場を悪くして、副会長は満足なのだろうか。

「早く食べないと冷めてしまいますよ?」

「え?」

何時の間にか俺の目の前に置かれた夜ごはんに俺は疑問符を抱えた。
副会長が持ってきたくれたっていうのか?
まさか、そんなはずがあるわけがない。あったとしても、あったとしても?

「……」

「…泣いていた理由は?」

「?」

俺にしか聞こえないような小さな声で副会長は聞いてきた。俺は意味がわからず、ポカンとした。すると副会長は不機嫌になって、繰り返す。

「だから、泣いていた理由はなんですか?」

「え、俺は泣いてなんていないです」

泣いていた、だなんて、誰にも知られたくなくて、俺は嘘を吐く。
だけどこれがまた問題の種になってしまった。

「真剣に聞いているんです。真剣に答えてください!」




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