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「三木くん、ごめん」

俺は先に謝ると、勢いよく、三木くんから携帯を奪い取り、

「泥臭いって、ただ、外でよく遊ぶから、土の匂いとかするなって意味だよ」

と叔父さんに言った。
三木くんはそんな俺を意外そうな顔で見ているが、そっちにリアクションをするほど、俺に余裕なんてない。
だって、俺は苛められているって叔父さんに知られるわけにはいかない。
上手いこと丸めこまないと。

「そう、だから、安心して」

震える、明るい、声を出す。
辛い。

「……叔父さん?」

『タロ…もしかして』

「な、何!」

嘘吐いているってばれた?
俺は心臓をバクバクで、涙目。

『ヒサシと仲良くなっているのか?』

「え?」

叔父さんの真剣な声に、茫然とした。
そんなことに、こだわって聞く意味が、わからない。




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