「ここが今日から俺が通う学園…」

校門前までくると俺は圧倒された。これが第二学園っていうなら、第一学園はどれほどすごいところなんだろう。
やばい、想像したら、背筋が震える。

ていうか、カツラって温かいのな。
むしろ、熱いかもしれん。

いっそ、とってしまおうか、とも思ったが、姉さんが今日から一人ぼっちになる俺にくれたものだと思うと、とれなかった。
せめて、メガネだけでもとろうかとしたが、同じ理由で却下になった。
ま、いっか。

姉さんが面白いと言ってくれた格好だ。
きっとこれですぐに友達も出来るだろう。



なんて、甘かった。
教室に向かう間も、教室に入ってからも「キモイ」とか「オタク」とか言われた。
初めてだった。
今まではちやほやされて生きてきたから、少し堪えるが、少し楽しい。
いや、ヒソヒソ話されるのが好きだとかそういうのではなく、今までとは、全く違う世界に来たって感じがわくわくする。

「初めまして。俺の名前は山田タロです。叔父の都合で転入してきました」

よろしくお願いしますと頭を下げる。担任の先生は俺にあいている席を紹介してくれる。俺はとぼとぼとそこまで歩いていく途中で、こけてしまった。
あ、メガネ!




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