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真剣な目をした三木くんに、俺は申し訳なく感じた。

「ごめん、つい、悪気はなかったんだ」

意識して敬語を使ったわけじゃない。気がつかないうちにそうなっていた。俺はそう説明した。すると三木くんは「それならいい」とそっぽを向いて、俺の携帯を拾ってくれた。

拾ってくれたのに、俺の手に渡してくれなかった。
それどころか、勝手に、何処かに電話をかける。

「み、三木くん?」

何をしているの、その行動にはどういう意味があるの?
俺は聞きたいことがたくさんあって、混乱している。

「タロくん、しぃー…」

静かに、と人差し指を俺の唇にあてて、三木くんは笑った。
笑った顔が、とても、格好よくて、少しときめいたしまった。

「あ、出た。遅いんだよ、お前」

「?」

「え、何? ああ! 俺が知るわけがないじゃん。馬鹿なの、お前。だいたいさ、心配なら、こっちにこいよ。タロくんすげぇモテモテ☆ライフ送ってんだぞ。ああ、モテモテって言ってもだいぶ泥臭いが」

『泥臭いってどういう意味だ?』

携帯電話から聞こえた、声は、俺がよく知っている、ユウダイ叔父さんだった。




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