33
「え…え?」
可愛い?
俺が?
何かの錯覚ではなく?
「あれ、誰にも言われたことない? 可愛いって」
「叔父さん、くらいしか…」
「ああ、あの人、本当にタロくんのこと溺愛しているしなー」
うざいだろ? と三木くんは言う。
「いえ、そんな…こと…あれ?」
あの人って?
どの人か、三木くん、知っているのかな?
「ん?」
「ユウダイ、を、知っているの?」
「あ、ちゃー…」
やってしまった、と三木くんは頭を抱えて、しばらく動かなかった。
聞かれたくないことだったのかな。俺が踏み込んで聞き過ぎたのかもしれないと後悔していた時、
「俺、あいつの補佐。秘書みたいなもん」
と、教えてくれた。
- 34 -
[*前] | [次#]
目次に戻る→
以下はナノ様の広告になります。