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だから、俺は生徒会長を睨んで言う。

「苛めだなんて、そんな格好の悪いことをする人に俺は屈しない。お好きにどうぞ」

嫌みたらしく笑おうとした。でも、顔の筋肉が上手に動いてはくれなかった。
たぶん、持ち前の無表情で俺は言ったのだろうな。
それがよほど気に食わなかったようで、会長は視線を俺から逸らした。
そうして、タロくんの方を睨む。
あれ?
俺のこと、眼中にはいらなくなったのかよ、会長テメェ!
ふざけるんじゃないと言おうとしたら、先に生徒会長がタロくんに向かって話しかける。

「お前さ、どうしてユウダイ理事に泣きつかないんだ?」

「え?」

タロくんは驚いた顔をした後、辛そうに俯いた。そんな、儚い顔、できるんだ。

「嫌がらせされても、この学園にお前がいる意味が、わからねぇよ」

生徒会長は少し澄んだ声を出した。歪んだところしか、まだ見ていない俺には、一瞬誰が発言したのか、わからなかった。

「そんなの、俺にもわからない」

タロくんは反論する。相手にしなくてもいいのにと俺は眉を寄せた。
さて、ユウダイ理事長にこのことは報告すべきなのだろうか?
でも、報告したら、あの溺愛男は何をしでかすんだろう。
そして、このことを知られたら、タロくんはどう思うのだ?
できれば、俺、自分だけの力で、タロくんを救いたい、だなんて、馬鹿か?




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