21




「う…」

だって、不安なんだもの。

「あ!」

「……どうされたんですか、急に?」

「どうしよう、ヒサシ。俺、電話し過ぎ? メール送り過ぎ? うざいって思われているかもしれない? どうしよう!」

「俺に聞くな」

知らんと言って、ヒサシは俺を放置した。
俺はどうしようと考えていたら、タロに電話をかけていた。
あれ?

『もしもし、叔父さん?』

俺、また電話している。
どうして、こんなに、電話しているんだろう。
迷惑じゃないだろうか?
なのに、俺は何事もないかのように「タロ、声が少し変だ」と言った。
確かにタロの声は変だった。無理に明るい声を出そうとしているみたいで。
何かあったのだろうか。何か…
俺は胸のあたりがざわつくのを感じた。が、返ってきた言葉は『そう? 昨日、みんなではしゃぎすぎたからかな』だった。

なんだ。
そっちで上手くやっているのか。
だったら、俺、こんなに、電話してばかりじゃ、悪いよな。
悪かったかもな。




- 22 -


[*前] | [次#]
目次に戻る→


以下はナノ様の広告になります。
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -