17




授業が終わって寮に帰ると俺はホッとする。
この部屋の中には俺しかない。


ココハ、トテモ安全ナ場所。


誰からも傷つけられない。
俺が俺でいて、それが許される。

「でも……」

ここは静かで寂しい。

「………う」

胸が痛い。
頭の中で声がしている。
俺を疎ましく思っている人達の声。
俺を嫌っている人達の声。
ずっと学園にいたら聞こえていた声。
今は聞こえないはずなのに、どうして、聞こえるんだろう。
耳を塞ぐ。全く効果がない。

ナオも俺のこと嫌いになったのかな?

初めは俺が苛められていることに対しての困惑していたナオ。
でも、今日は明らかに俺のことを怒っている態度だった。
俺がカツラとメガネをやめたから?
それとももっと違う何か?

わからない。




- 18 -


[*前] | [次#]
目次に戻る→


以下はナノ様の広告になります。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -