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お昼休み、それは突然襲来した。

「タロくん、一緒にご飯を食べましょう」

「え?」

何処かで見たことのある人に、急にお昼のお誘いをされて、俺は喜んだ。
俺のことを避けない人がいるんだと、嬉しくなったのに。
あっという間に、俺は突き落とされた気分だ。

クラスメイト達のヒソヒソ話で俺は知る。
お昼のお誘いをしてきたのは生徒会副会長だってことを。
つまりはあの苛めの原因を作った生徒会長の仲間みたいな人だってこと。

「いえ、俺」

断ろうとした。
変な誤解をされて、この人の親衛隊にまで嫌がらせをされたらたまらない。
ま、生徒会長の方は、誤解、というより、あの人が俺のことを嫌っているから、生徒会長を愛している奴らは俺を目の敵にしているってことで。
あれ?
でも、これ、断ったら、俺は副会長をないがしろにしたってことになるのか?
いやでも、ここで一緒にご飯なんて食べたら、それこそ調子に乗っているって、怒られる。
じゃあ、どっち?

「タロくん、君は俺に誘われた時点で終わっているんですよ?」

どっちを選んでも同じですよ、と、彼は俺にしか聞こえない声で言う。
物腰が柔らかそうなのに、なんて怖いことを言うんだ、この人。
ああ、でも、どうせ、嫌がらせを受けるなら…
寂しいお昼を一人で過ごさない方を俺は選ぶかもしれない。




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