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「…………ナオ、怒っている?」

そういえば、カツラとメガネを外すなと言っていたナオが、今日は一言も俺と話してくれないから、俺はひそひそと授業中、ナオに聞いた。
俺が苛められるようになってから、あまり会話することはなくなっていたが、今日みたいに不機嫌で、あからさまに俺のこと避けようとしている感じはなかったんだけど。
やっぱり、ナオ、俺がカツラとメガネをしていないことに怒っているんじゃ?

「俺がカツラとメガネするの、やめたの、怒っている?」

「別に」

「本当に?」

「……ああ」

「じゃあ、こっち向いてよ」

「…………」

少しだけ肩をぴくっとさせて、でも、ナオは俺の方を向いてはくれなかった。
俺は、しかたない、と諦めて、授業を受ける。
いくらナオがいい奴でも、ナオだって俺みたいなのと関わって、嫌がらせに、巻き込まれたら嫌だろう。

ナオが遠い。
こんなにも近くにいるのに。

どうしてこうなったんだろう。
どうしたら、ここから抜け出せるんだろう。
泣いてなんかいない。泣いたって何も変わらない。でもさ、でもね…




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