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「お前、一日で、どうしてそうなった!?」
「昨日まではボサボサの髪に、変なメガネで」
「ていうか、整形とかじゃないよな」
次々に聞こえてくる言葉に、俺は頭を押さえた。
やべぇ、サラサラしてる、カツラ忘れた。
ていうことは、カツラと一緒に部屋に置いてある、メガネは…
していない。
て、別に変装しているわけじゃないし、無くても問題ない。
ただ、姉さんがくれた思いやりをないがしろにしたってことだけが、事実だが。
ま、あのカツラをしてメガネで、面白い学園生活にならなかったし、別にいいよね。この辺でやめてしまって。
だって、厄介だもの、あれ。
そうだ、姉さんだってわかってくれる。
俺があれをつけていても楽しい学園生活にならないなら、意味ないって。
だったら、もう、いらないか。
「あれ、カツラ。メガネはダテ」
騒いでいるクラスメイト達に俺は説明した。
そうしたら、ふざけていたんだ、とか、ネガティブな意見ばかり飛んできた。
誤解だと言いたかった。でも、怖くて言えなかった。
言ったら、また、変な解釈をされそうで、怖かったんだ。
一度、変な偏見をつけてしまうと、こんなにも、人生は変わるんだなって思った。また、昔みたいに脳天気に笑いたいな…。
できることなら、みんなと仲良くなりたいのにな…。
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