12
朝、起きて、いつも通り、準備をし、寮を出る。
あれから、10日がたった。
毎日、下駄箱にはゴミが詰まっている。
教室の机にはお花が飾っていたり、する。
飽きた。
でも、傷つくことは、数ミリも変わらないし、飽きない。
「………」
なんでこうなったのだろうと考えながら、俺はもう机の上の落書きを消すのをやめた。
「?」
いつもと変わらない、教室、なのに、何かが違うような気がした。
そうか「キモイ」って聞こえてこないんだ。
「あの、そこの席は…」
びくびくした可愛い子が聞いてくる。
俺は一体どうしたんだという顔を向ける。
だって、いつも俺に嫌がらせをする生徒会長の親衛隊の子だぞ、この子。
「そんなにも怯えないでよ。ここは俺の席だし。仮に良心が痛むなら、嫌がらせをやめてくれたらいいよ」
「え?」
「ここは俺の席。で、俺は、いつも君たちが嫌がらせをしている、山田」
忘れるわけがないよね、と俺は言った。すると教室中にとんでもない声が響いた。どうしたって言うんだ?
- 13 -
[*前] | [次#]
目次に戻る→
以下はナノ様の広告になります。