いつの間にか俺の涙も悲しみも何処かへ消えてしまいました。
ただ困惑してばかりいます。

「……あの、いつから?」

『いつからでしょうね?』

このドアを開けてくれたら教えますよ、なんて迷惑男は言いました。
俺はうっかりドアを開けかけてとどまります。
危ない危ない。

「まぁ、いつからでも俺には関係ないことだし…」

そう、いつだっていいじゃないか。
俺は自分自身にそう言い聞かせました。

『関係ないわけはないんじゃ…?』

「う、まぁ、関係はあるけど」

そうだよな。
いくら俺には関係ないと言い張っても、俺のストーカーなわけだし、俺にも関係のある話しだよな。

「でも、このドアは開けない。俺はそんなにも脳天気じゃない」

『………』

「……おい?」

『え、ああ、そうだな、うん!』




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