最低だ。
俺は心の中で繰り返した。

「俺はこんな風になりたくなかった。だから、俺はこんな風になった自分自身が気持ち悪い。信じられない。怖い」

「東條さん!」

「!?」

強く抱きしめられて言葉を失った。

「俺にできることありますか?」

「は?」

何を言いだすんだと俺は、平常心なら言っただろう。
だが、今は「放すな」と呟いてしまった。

「放さないですよ、頼まれたって、放さないです」

「?」

「どんなに貴方に嫌われても俺は好きです。どんなに貴方と喧嘩しても俺の気持ちはかわらないです。だってどうしようもなく好きなんです。きっと貴方のためになれないこと多いだろうし、傷つけることもあるだろうし、不安にされることもあるだろうし、憎むこともあるかもしれません。でも、根底にある気持ちは、そんなにも簡単に変わったりなんてしません!」

「く、黒田…」

馬鹿な俺。黒田の背中に手を回す。本当、幸せで愚かな俺。




- 7 -


[*前] | [次#]
目次に戻る→


以下はナノ様の広告になります。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -