一人で強く生きて行くのだと決めた。
あの頃は、もう、消えてしまった。



幼い頃から、両親の喧嘩を見てきた俺は、結婚も愛も恋も何もかもがまやかしに思えた。そう『俺は違う』なんて都合のいいような解釈なんてできず、自分の世界に一番近い両親の不仲や醜さに、一人で生きていくんだって…だって一人なら面倒なこともないし、傷つけられることもない。
とか、さ、俺は『とても利口な子どもだ』と、ガキの時はふんぞり返っていた。

だから『好きだ』と言われた時、簡単にふったんだ。
恋なんてくだらないと、愛なんてくだらないと思っていたから、そう言ったそいつがとてもくだらないものに見えたんだ。

なのに、そいつは俺のことを『好きだ』と言い続ける。
いくら俺が冷たい態度をとっても懲りることなく、俺の傍に来ては笑った。俺のためになりたいと言った。





だから、

俺の世界は180度変わってしまった。




俺の意思なんて関係なくだ。




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