９
「え？」
ほら、総司さん、驚いている。
「今日、噂で、総司さんが生徒会長と仲がいいと、聞きました。それが嫌でした。俺、総司さんは、俺にだけ、優しくしていて欲しいとか、思って」
「うん、それで…？」
「総司さんのことも考えず、俺は…自分中心に、総司さんのこと好きで」
「それがどうしたの？」
「だって、最低じゃないですか。総司さんのことも考えず、俺は」
「考えているよ、ヒロは」
「え？」
「ほら、今、涙目になって、俺のこと、考えてくれている」
「そ、そんなことないですよ、これは、俺が」
貴方に嫌われたらどうしようって不安なだけで。
「それに、俺、総司さんのこと裏切ってる」
「ううん。裏切っていないよ」
「そんなことない！」
「ヒロが俺を好きなら、それでいいんだ！」
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