本当に何もない。
俺が、いつも通りを心がけているから、変化なんか起きない。
そうこれが、俺の一人よがりっていう証拠だ。

「そうか、本当、勘繰ってすまん」

「いいよ、なんか、気持ちはわかる」

「じゃあさ、今度、三人で鍋パ」

「しねぇよ」

調子に乗るなと俺は香山をつついた。
なんか、教室中が、変な声で溢れた。

「え?」

「最悪…。水城、今のお前と俺、変な噂になるだろうな」

「は?」

「だから、イチャイチャしてるように見えたんだろう、周りには」

「やってらんない」

「俺もだよ…」

ありえない、と俺たちは頭を抱えた。だけど、二人して、反論しなかったのは、下手に必死になって食いつくとそれこそ変な噂の種になると知っているからだ。

ああ、でも、どうか…
ヒロに変な噂が流れつきませんように。




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