第4話




噂話は好きじゃない。
自分勝手で、いつしか面白おかしく変換されている。

そもそも【学園の王子様】という呼び方自体がおかしい。
俺の何を見てそういうのだろう。
後、俺の何を見たら、某有名メーカーの跡取り息子に見えるわけ?
わからない。別にわかりたいとは思えないけども。

ああ、また俺の噂話が飛んでいく。
きっと今日の失態5連チャンは有名なものになるんじゃないだろうか。
ていうか、みんなそんなにしてまで俺が嫌いなのかな。
嫌になるよ、全く。

でも、家に帰れば、ヒロに会える。
ヒロと一緒に居られる。
そう思えば、後一時間授業を受けることなんて苦じゃない。
苦じゃないが…

俺、忘れようとしているのに、ドツボにはまっている気がする。
いや、別に一緒にいたいとか会えることを心待ちにしているとか、恋愛感情関係なく起こる現象だ。大丈夫。俺は、大丈夫だ。

「水城、お前どうかしたのか?」

「どうもしない」

面倒くさいのに話しかけられたと、俺は残り五分になった休み時間が早く終わるように願った。だが、奴は、香山は、俺の気も知らずに、話しかけてくる。

「本当に? あまりにもポカ多過ぎで勘繰るぞ」

「別にヒロとはいつも通りだ」




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