「ヒロ、行こう」

「え?」

俺は総司さんに腕を掴まれてそのまま引っ張られていった。
ああ、俺、生徒会長が一緒に来た人が誰なのか知りたかったのに。

「総司さん?」

「ヒロ、あいつに興味があるのか?」

「え?」

急に立ち止まって、肩を強く掴まれる。
驚いた。
どうしてそんなことを総司さんは聞くのだろう。
そんなにも俺があの人と話したり関わることが嫌なのだろうか。

「……どうして、総司さんは、生徒会長と俺が関わるのが嫌なんですか?」

理由が知りたかった。総司さんの気持ちを理解したいと思った。でも、

「それはどうだっていいだろ!」

と、総司さんは怒った。俺、怒らせてしまった。

「ご、ごめんな、さい」

「……あ」

総司さんはいつ怒鳴ってしまったと言ったけども、俺は、しばらく総司さんになんて言われても、落ち込んだままだった。




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