「すみません、急に立ち止まったりし……てぇ!」

「…あ」

俺のがぶつかった人は俺も総司さんもよく知っている、あの生徒会長だった。

「お前、何してんだよ」

と、総司さんは俺と生徒会長の間に割り込み、少し不機嫌そうに言った。
だけど、生徒会長さんはそんなこと気にしてないという様子で「いや、さ」と遊園地のチケットをポケットから出した。

「なんていうの、ナンパされちゃってさ」

「お前が?」

「そう、俺が」

「へぇ、物好きもいるもんだな」

よかったじゃないかと総司さんは嬉しそうに、生徒会長さんの肩を叩いた。
でも、俺には嫌な予感しかしなかった。

「誰ですか?」

誰と一緒に来たのか聞きたくて俺は生徒会長に聞いた。
すると生徒会長は「知りたいの?」と嬉しそうに笑う。
総司さんは生徒会長の肩を叩くのをやめて、そのまま固まってしまった。

「嬉しいな、ヒロが俺のことを気にかけてくれるなんて」

「え…あ、あの…」




- 55 -


[*前] | [次#]
目次に戻る→


以下はナノ様の広告になります。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -