第3話
=加賀美ヒロside=
学校をさぼったのなんて初めてだ。
俺は言葉にならないそわそわむずむず感で電車を降りた。
総司さんは「寒くない?」と聞いてくれる。
俺は「大丈夫です」と言った。いや、本当は寒いけど。
「遊園地にお越しの方は、こちらです!」
平日なのに、どうしてガイドさんがわざわざ板を思って、道案内しているのだろう。俺は不思議に思った。
というか、人、多くない?
「総司さん、あの、今日って…」
「遊園地の10周年記念の日」
「え?」
「特別招待状。頑張って、手に入れたんだから」
「え?」
いったいどういうことだ。俺はおどおどと周りを見回す。
ガイドさんは「なお、本日は当日キップの販売はしておりません」とか言っている。ということは…なんだか、すごい日に来ちゃったの?
どうしよう、俺。
昨日、図書館で調べた遊園地のことに、そんな10周年記念とか特別な日用のことなんてなかった。
「……!」
考え事をしていたせいだろう。俺の前を歩いている人にぶつかってしまった。
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