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「…………」
「なんて、いきなり言われても戸惑うよな」
「…いえ、その」
「じゃあ、まずは明日は何が食べたい?」
「えと、総司さんの食べたいもので…」
「えー、俺はヒロの食べたいものを一緒に食べたいのにな」
「あ、え、えと、その、オムライスとか…」
「わかった。じゃあ、明日の夜ごはんはオムライスだな」
「はい、あの、でも他のものでも」
構いませんと言おうとしたのに、簡単に遮られてしまった。
「駄目だよ。初めてヒロが俺に食べたいもの教えてくれたんだから、それにする」
まるで恋人を口説くかのように、総司さんはほほ笑んだ。
俺は急に恥ずかしくなって「はい」と頷いた。
「ありがとうございます…」
「ヒ…ロ…?」
驚いた顔をして総司さんは俺を見つめている。
俺は急にどうしたのだろうと、慌てた。
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