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「元気ないな」

総司さんは箸をとめて俺の心配をしてくれる。俺なんかの心配なんてしなくていいのに。いや、心配させている俺が悪いんだ。

「ごめんなさ」

「謝らなくていい」

「あ、そうです、か。すみませ」

「だから、謝らないで欲しいな」

「…あ、その」

「ヒロは悪いことしていないよ?」

大丈夫だよって総司さんは言ってくれた。どうして。こんな俺にそんな。

「ヒロ。勝手に俺が心配したの、ごめんな。気を使わせて」

「そんな、総司さんは、悪くないです。悪いのは…」

俺だ。勝手に総司さんのこと詮索して。最低だ。
しかも、そのことで落ち込んで心配させている。

「ヒーロ。俺が悪くないなら二人とも悪くない」

「だ、だって」

「俺は…俺はね、ヒロ。ヒロに対して、悪いことされたなんて思っていない。だから、ヒロは悪くない。ヒロが、そうやって自分を責めることもない」




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