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「何これ」

そこから出てきたのは、明日、一緒に行く約束をしていた、遊園地のガイドブックだった。それから、オシャレなディナーのお店のガイドブックや、総司さんが書いたであろう、メモとか。

「……総司さん」

なんて優しいんだろう。
俺に内緒でこんなにも調べごとしていてくれて、俺に気を使わせないためにそれを隠してくれるだなんて。
やっぱり総司さんは違う世界の人みたい。

俺には、もったいない、人。

「…………」

「ヒロ、ご飯もうすぐできるから、おいで」

リビングから総司さんの声がした。
俺は遊園地のガイドブックなどを元通りベッドの下へと戻し、

「今行きます」

と部屋を後にした。

少しだけ考えるのはやめよう。
今だけは総司さんと一緒にいられるこの時を大切にしよう。

苦しいなんて嘘。悲しいなんて嘘。切ないなんて、やりきれないなんて、そんなの嘘。みんな嘘。俺は…
どうして一瞬でも総司さんがエロ本を持っているんじゃって思ったのだろう。




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