「ただいま」

俺は今朝もらった合鍵で、ゆっくりと家に入った。
先輩の家に居ることは恐れ多い。
いろいろとまだ困惑していることも多い。
だけど、昨日、先輩が言ってくれた。
『ここに居て欲しい』の言葉に浮かれてる俺。

「おかえり」

髪の毛を乱して走ってくる先輩に俺は「お気遣いなく」と言った。
すると先輩も「お気遣いなく」と言った。

なんか、おもしろい。

甘ったるい空気に二人して笑う。
なんだか、新婚みたいだなって考えて俺は首を振った。

違う。
そうじゃない。
俺と先輩は兄弟なだけで…!

でも、似てないにも程が、あるんじゃないだろうか。

ちらりと先輩を見上げた。
やっぱり【学園の王子様】は美形で別世界の人間のようだ。

「…先輩、先輩、俺って本当に先輩の弟ですか?」

「うーん。弟じゃない。でも、かつては血のつながらない連れ子同士の兄弟だった。そして、俺は今、こうしてヒロと一緒に暮らせるようになって、俺の弟が帰ってきてくれたようで嬉しい。俺は、弟だと思っているよ」




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