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「え?」
だって先輩はいつも余裕そうで、そんな…
「そんな風に見えません」
「見えないようにしているんだ。ヒロに格好悪いところなんて見せたくないじゃん。でも、誤解されてしまうのも、寂しくて、白状したの」
「………なんだか」
嬉しいなって思った。でも、嬉しいなんて言えなかった。
ただただ俯いて、微笑んだ。
先輩にそれがばれるのが恥ずかしくて、目線を逸らそうとしたら、
「こっち見て」
と、先輩は意地悪く笑っていた。
「いや、あの、無理です…」
ぼそぼそと俺は呟く。
「じゃあ、遊園地、行くの決定な」
「え?」と俺は目線を先輩の方に向けられないまま、口を開いた。
「俺、先輩と遊園地なんて、行く、度胸ないって…」
「度胸とかじゃなくて、行きたくないの?」
優しく先輩は質問した。
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