第1.5話
=水城総司side=
世界のもの全てに
説明書がついていたら、
どんなによかっただろう。
こんな俺でも、
自分を理解でき、
誰かのことも理解できただろう。
しかし……
そんなものの存在しない
この世界は、残酷で美しい。
わからないからこそ、
簡単に
綺麗に着飾れる。
わからないからこそ、
必死に
理解したいと思える。
複雑で難しい思考回路の俺たちには
説明書がなくてよかったのかもしれない。
きっと存在していても
それがもとで繊細な戦いがあっただろう。
「ヒロ、今度の日曜日なんだけど…」
幾多の柵があったとしても、
一緒にいたいって
そう思えたら
説明書も何もかも
俺と君の間には
いらない。
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