「あの、先輩…」

洗面所でひたすら泣いた後、リビングで晩ご飯を先輩と食べていた。

「俺、ここにいても、いいんですか?」

不安になって、聞いてしまう。さっき、いいって言ってくれたのに。

「なんだか、やっぱり俺みたいなのが、先輩の家にいるって申し訳ないと言いますか、その、先輩は優しいから」

「ヒロ、俺は優しくない。俺はヒロにここに居て欲しい。だから、優しい振りをしているんだ」

「え?」

「だから、気にしなくていいの」

先輩は俺の鼻を掴んで笑った。

「ずっと俺、ヒロとこうしてご飯食べるのが夢だったから」

「…………」

そういえば、先輩は俺のお兄さんだったんだ。
生徒会長が言っていた。

家族だったんだ。

「俺は、なんだか、まだよくわからないけど、先輩とこうしていられることが」

幸せでした。




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