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さて、お昼休みがやってきました。

「鞄から弁当落とすって、どうやったら、その大きい個体が落ちるんだろう」

「さぁ…?」

俺にもそれはわからない。というか、先輩、嘘下手過ぎる。あの時は、爽やかな笑顔に騙されて、そんな理由が通る気がしたし、みんな、そうなんだぁという顔をしていたが、後になって考えてみれば、おかしい。
この大きさの固体が、鞄から落ちるはずがない。

「俺もよくわからないんだ。普通、ありえないよな」

俺は思ったままを口にする。嘘ではない。嘘をついたのは先輩だし。

「ふぅーん」

「うぅん」

どうしたらいいのだろう。苦しいよ、この空気。昨日、先輩とは近づく気がないとか言ってしまった、先輩のファンクラブの会長さん、日下部新に俺は小さくなる。

「ま、いっか。落ちたものは落ちたんだろうし」

「…………え」

「そういうことにしておいてあげるよ、今回は」

日下部新はにっこりと笑うと、じゃあなと手を振りながら、俺の目の前から消えた。先輩のファンクラブの子たちも、それと同時に、みんな弁当を食べ始めた。今回のことはお許しがでたってことかな。正直、怖かった。




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