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雀の鳴き声が聞こえた。
俺は目を覚ました。
「なんだ、夢か…そうだよな…」
俺はのそのそと起き上がる。あれ、ここは俺の部屋じゃない。
先輩の部屋だった。
どこからが夢なのだろうか?
「ヒロ、起きた?」
「ひっ!」
突然俺の目の前に現れた先輩は、カッターシャツに着替えている途中だったみたいで、その、なんていうの、肌が露出が…
「ひって、傷つくな。俺ってそんなにひどいことした?」
「いえ、とんでもないです」
「なら、いいんだけど」
先輩はそう言うと、カッターシャツがはだけたまま俺の方へと歩いてくる。
俺は「すみません」と俯いて謝った。不快な気持ちにさせたなら、申し訳ない。
「いいんだけどさ、ねぇ、ヒロ?」
「はい」
え? あれ、先輩、顔が近い…!
「俺のこと覚えていない?」
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