第八話


=上条side=

自分でも不思議だと思っていた。
西野さんにはいろいろと暴言を吐かれたらり叩かれたりしていたのに、俺は西野さんのことを嫌いだと思わなかった。むしろ、それでも可愛いなって思っていた。

「好きだったのか…俺」
俺は自分でも自覚していない気持ちなのに、西野さんに好きだと告白してしまった。本当にただ勢いのままにだ。だから、正直、言葉にした瞬間、驚いた。でも納得した。
そうだったんだって、自分の中にあったモヤモヤが全て晴れ渡っていった気がした。
「だと、したら、いつから…」
一体、いつから好きになっていたんだろう。
俺はベットの上で寝返りを打った。今朝の告白のこと以外何も今は考えつかない。
西野さんの何を好きになったのだろう。いつから…そうなったんだろう。俺と似ているって思ったところからだろうか。それとも出会った瞬間からだろうか。ま、どっちでもいいか。俺の気持ちが変わるわけじゃないし。
「でも…」
今さら頭が冷えて思うけど、俺も西野さんも男じゃん。うわ、気持ち悪がられていなければいいな。大丈夫か、な?
だって、西野さん、可愛いものの次に同性愛の物語が好きだし…いや、リアルと理想は別だとか言われたらどうしよう。俺だって、俺の嫁(ギャルゲのヒロイン)と高良が似ているからって、高良のことそういう風に見れるわけじゃないし。高良は特別な友達。それは何があっても変わらないことだと思う。

………はて、俺は何を考えていたんだっけ。

これじゃあ、西野さんに今朝言われたとおり俺はただの馬鹿野郎じゃないか。
「とりあえず、眠ろう…」
そうしたら明日は頭がすっきりしていて、考えがまとまるかもしれないし。うん。そうしようと、瞳を閉じた瞬間、俺の携帯が鳴った。誰からかと半目で、ディスプレイを見つめる。そこには「西野さん」と文字が出ている。ちょっ




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